8月24日、ヨーロッパで初開催となるWTTのグランドスマッシュ大会『ヨーロッパスマッシュ(スウェーデン)2025』が大会最終日を迎え、男子シングルス決勝で地元スウェーデンの英雄・モーレゴードと世界ランキング1位の林詩棟(中国)が対戦した。
2回戦で松島輝空(日本・木下グループ)に3−2で競り勝ち、そこから趙大成・安宰賢という韓国勢を連破。準決勝ではドゥダ(ドイツ)に4−0で完勝して決勝へと勝ち上がったモーレゴード。
決勝ではバックハンドが非常に強い林詩棟に対し、サービス・レシーブから徹底してフォア前にボールを集める。そしてジュースの場面でも臆することなく、鋭利なフォアのカウンターを連発。ゲームカウント1−1の3ゲーム目を4−8からの逆転で奪うと、3ゲーム目も連取して優勝に王手をかける。

しかし、林詩棟も5ゲーム目を取り返すと、6ゲーム目は10−11でモーレゴードにチャンピオンシップポイントを握られながらもしのぎ、13−11で奪取。観客のボルテージが最高潮に達する中、試合は最終ゲームへともつれ込む。
最終ゲームは林詩棟が8−6までリードを保つが、モーレゴードが8−8に追いつき、10−9で2回目のチャンピオンシップポイント。ここで中陣からの反撃で林詩棟を台から下げたモーレゴードが、強烈なスマッシュを連打。ロビングで何本でもしのぐ林詩棟。最後は、林詩棟のロビングがわずかにコートをオーバーし、あまりに劇的な幕切れでモーレゴードの優勝が決まった。

過去、グランドスマッシュの男子シングルスはすべて中国選手が優勝する中、中国選手以外で男子シングルスを制した初めての選手となったモーレゴード。「トロフィーを手にするのは大きな夢だったし、信じられない気持ちだ。まるで現実とは思えないほどだよ。こんなに大きなタイトルを獲得するのは、ぼくにとっては久しぶりのことなんだ」。試合後、興奮が伝わってくるコメントを残した。
「父と家族が祝賀会を開くと約束してくれたんだ。さあ、盛大なパーティに向けて準備が始まっているよ」(モーレゴード)。盛大な祝賀会はこれから何度開かれるのだろう。23歳というプレーヤーとしてのピークに差し掛かる年齢を迎え、ますますこの偉大なファンタジスタから目が離せない。

●トルルス・モーレゴード(スウェーデン)使用用具

●ラケット:サイバーシェイプカーボンCWTトルルスエディション

●ラバー:DNA プラチナ XH