STIGA NEWS
サイバーシェイプカーボン
「130年の常識を打ち破る異端児」
をフカ掘りする
2023年11月09日
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革新的な形状と高品質な合板。
モーレゴードの活躍が世間の注目を加速した
<卓球グッズ2022より抜粋>
ペンラケットでは四角形に近い角型ブレードがあったが、従来のシェークラケットはほぼすべて楕円形。この六角形のブレード形状は、ありそうでなかった画期的なものだ。
しかし革新性は見た目だけではない。打球で主に使う中央よりも先端寄りのエリアの面積が11%増加(スティガ調べ)。そして5mmほど深く握れる形状のため、ラケットの操作性も確保。「スイートエリアが広く安定する」「フラット打ちがやりやすい」「ヘッドが回って回転もかけやすい」などの声が多い。
●シェークのブレードの縦寸は、他のスティガラケットと同じだが、横寸は156mmと6mmも幅広。幅が広い領域が中央より先端寄りの主要打球エリアにあるため、スイートエリアが広い。
一方、手元付近を絞る形状と、深く握れることで、あまり重さは感じさせない
●中国式ペンの横寸は162mmと、シェーク以上に幅が広いのが特徴。縦寸は他のスティガラケットより2㎜短く、重心が極端に先端に寄らないように調整されていて、シェークと同様に操作性が良い
●上板は『レガシーカーボン』と同様のカーボネード加工した黒い木材。インナーのカーボンの位置は比較的内側で、板厚が6.3mmとやや厚めの構成は『インスピーラCCF』に近い
グリップレンズは片面は緑、片面は紫で、シックな光沢(こうたく)が美しい
グリップエンドのSTIGA エンブレムは伝統を感じさせる
グリップ寄りブレードも直線形状だが、指はスムーズにフィットする
21年11月に行われた世界選手権ヒューストン大会で、モーレゴード(スウェーデン)が使用し、男子シングルス準優勝
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「仮にこれが失敗したとしても、革新的なことに挑んだことが誇らしい」
アンドレアス・ザンドレン
[スティガ本社CEO]
1944年創業の歴史を
持ちながら、革命を起こした
●─なぜこのような形を考えついたのでしょう?
アンドレアス(以下AZ) 卓球のラケットを見た時に、疑問が湧きました。「なぜ丸い形をしているのだろう?」と。ボールもプラスチックに変わり、ラバーも革命的に変化したのに、ラケットは木材構成や素材では変化したものの、形はほぼ同じだった。
最初は実験のつもりで、何かを新しく作りたい、それが選手にとって何かプラスにならないかというのがスタートでした。実際にテストすると、このラケットは有利な点があるということがわかった。スティガとしても恐れることはなかったし、パイオニアでありたいという思いもありました。
●─最初から六角形だったのですか? 四角形や三角形もあったのですか?
AZ いろいろな形をテストしました。まあ三角形はなかったけどね(笑)。テストして、新しいプロトタイプを作り、またテストして、と繰り返していました。最終的に今の形状にたどり着きました。
●─開発プロセスの段階で、科学的な分析をしたのですね?
AZ 私も通っていたスウェーデン王立工科大学(スウェーデン最大の理工系大学)で、他のラケットとのスイートエリアの比較などを分析してもらいました。
●─モダンなデザインだと言う人もいれば、形が違いすぎて受け入れない人もいたでしょうね。
AZ もちろん「なんだこれは?」と驚く人もいたし、いぶかしがる人もいた(笑)。皆が違う意見と印象を持つものだから。でも実際に打つと、皆、フィット感や新しい打球感に感嘆していた。「これが“ニュー・ノーマル(新常識)” だ」と(笑)。
●─今、日本でも人気で、すでにスティガの中でも成功したラケットになっていますね。
AZ はい。しかも、コロナ禍では考えられない成功と言えます。材料の確保も含めて、生産が追いついてませんが、サイバーシェイプに力を注いで生産し、春以降はしっかりと供給できると考えています。
●─ひとつのターニングポイントは、世界選手権ヒューストン大会でのモーレゴードの活躍ですね。
AZ その前から選手たちは関心を持っていましたが、開発に関わったモーレゴードが、ヒューストンで決勝まで行ったことが完全に追い風になりました。新商品を使った選手が世界選手権の決勝で樊振東(中国)と戦うというのは、正直、想像を超えたものでした。
●─ 1944年設立の歴史のあるスティガから革命が起きました。
AZ ありがとう。これが将来、「スティガ・ノーマル」と言われるかもしれません。スティガは革命、革新的な商品を作った。これは社員にとっても勇気づけられることだったと思います。仮にこれが失敗したとしても、革新的なことに挑んだことが誇らしいです。卓球の世界でパイオニアになることが、スティガにとって重要なのです。
●─日本の卓球ファンにメッセージをお願いします。
AZ 私たちは日本の卓球ファンを愛しています。卓球に限らず日本の商品は素晴らしい。
そういう日本人の心に響くラケットであり、ブランドでありたい。これからもスティガを好きでいてください。
●─君は音楽好きと聞いています。
AZ そうです。ロックンロールが好きですね。
●─まさにサイバーシェイプはロックンロールですね?(笑)
AZ そのとおり! サイバーシェイプ・イズ・ロックンロール!(笑)。アリガト!
サイバーシェイプ カーボン
¥30,800(税込)
●木材5 枚+カーボン2枚(インナー)
●FL・ST・中国式ペン
●板厚:6.3mm ●平均重量:85g
Made in SWEDEN