STIGA NEWS
全日本マスターズを楽しんだ
元日本代表・塩野真人。
観客席からは驚嘆の声
2023年12月14日
11月30日〜12月3日、千葉・キッコーマンアリーナ(流山市民総合体育館)で行われた『2023年全日本卓球選手権大会 マスターズの部』。30歳以上の「マスターズプレーヤー」の祭典で、ひと際注目を集めていたのが男子サーティ(30歳代)に出場した塩野真人(Member of STIGA)だ。
今からちょうど10年前、2013年に行われたITTFワールドツアー・ジャパンオープンの男子シングルスチャンピオン。2014年世界選手権(団体戦)東京大会では、世界代表として胸に日の丸をつけた「鉄壁チョッパー」。最近では全日本クラブ選手権や全国ラージボール大会には出場しているものの、硬式の個人戦出場は現役最後の大会となった2017年1月の全日本選手権以来だという。
大会3日目の12月2日から行われた男子サーティで、1・2回戦はともにストレート勝ちを収めた塩野。「ドキドキ、ワクワクという現役時代とは違う緊張感や、練習がなかなかやれない中での不安もあった」という塩野だが、糸を引くように相手コートに吸い込まれていくカットの安定感は健在。チャンスボールにはすかさず前に出てフォアドライブで打ち抜くプレーは、往年の「日の丸戦士」の頃を彷彿とさせた。
「当たれば入る」というカットの安定感は健在だった塩野
ネットインしたボールにも鋭い反応を見せた
試合が終わった後、対戦相手と笑顔で語り合う姿が印象的だった塩野。「現役でバチバチやっていた頃は、試合後も相手と談笑するような機会はなかなかないですけど、マスターズでは勝っても負けても笑って話ができたりするのはすごく良い。同じ卓球仲間、という感じですね」と語り、卓球人を虜(とりこ)にする全日本マスターズの魅力を感じたようだ。
試合が終われば笑顔で握手。これがマスターズの魅力
「やっぱり練習をやり込んでいる方々はすごいなと思いましたね。ぼくは大会前はあまり練習はできなくて、学校やクラブを訪問させていただいた時にボールを打つ機会があるのがありがたかった。あとはジムでちょっと体作りをしたりしていました。今大会は結果はあまり考えず、とにかく一生懸命やろうという感じです」(塩野)
大会最終日、3回戦の相手は中村祥吾(リトルキングス・神奈川)。2020年全日本選手権では一般で3回戦に進出したほどの実力者で、少しでもカットが浮けばフルスイングのフォア強打を打ち込む。塩野のカットと中村のパワードライブ、ハイレベルなラリーの応酬は、ゲームオールで中村に凱歌。観客席からは何度も驚嘆の声が上がっていた。
「やっぱり卓球は楽しいな、というのを改めて思いました」と語る塩野。スティガスポーツジャパン株式会社の社員として、大盛況だった会場のスティガの売店にも立つ「二刀流」。来年は38歳という年齢になるが、再びサーティの舞台でその華麗なカットプレーを見せてもらいたい。
3回戦で惜しくも敗れた塩野。しかし、観客を魅了するプレーを見せてくれた
塩野真人・使用用具
●ラケット:ディフェンシブ プロ(SHCグリップ) ※写真はフレア
●フォア面のラバー:DNA ドラゴングリップ(特厚)
●バック面のラバー:バーティカル 20(薄)