STIGA NEWS

元全日本王者・及川瑞基
「サイバーシェイプの独特の形は、
実際に打つと想像を超えるものがあります」

2024年04月04日

●●及川瑞基
OIKAWA. Mizuki
「スティガの今回の用具の組み合わせはボールが山なりにならずに直線的に飛んでくれるし、イレギュラー(不規則)のボールも生まれて、相手も取りづらそうにしています」

2021年の全日本チャンピオンの及川瑞基(個人)はTリーグも木下マイスター東京を離れ、用具契約もタマス(バタフライ)からスティガ(本社スウェーデン)に変わった。トップ選手は慣れ親しんだ用具を変えるのは簡単なことではないが、及川はなぜ用具を変えることを選んだのか。

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

●ー木下マイスター東京を退団し、用具メーカーもバタフライからスティガに変えました。用具を変える決断はトップ選手にとっては難しく、不安を覚える部分でもあります。

及川 タマスさんとは12年間ほどの契約をさせていただいて、用具提供などを受けていました。本当に感謝しています。 用具を変更して心機一転頑張りたいと思い、スティガさんに決めました。スティガはラケットが良いというのは知っていました。ただ正直に言えばワクワク感よりは不安のほうが大きかったんです。自分の卓球を悩んでいる時は、練習内容、打ち方、そして用具なども考えますね。いざ実際に使ったら、予想以上に良かったので、「これは使える」と好感触でした。同時に、スティガさんからのオファーがありました。

2022年世界卓球・成都大会でプレーする及川瑞基

●ーラバーを先に決めたのでしょうか、ラケットでしょうか?

及川 ぼく自身は最初にラバー「DNAプラチナXH」が決まりました。それに合ったラケットということで「カーボネード」とか、許昕(中国)が使っていた「ダイナスティカーボン」を試してました。普通に丸いラケットを5種類くらい試していたのですが、スティガユーザーには「最後はサイバーシェイプに行くぞ」と言われていたけれども、サイバーの形が引っかかっていたんです。
打ったらボールがラケットの角に当たりそうだった(笑)。サンプルを最初にもらっていましたが実は試してなかった。でも丸いラケットを試していて。「どうも違うな」と思って、「サイバーシェイプカーボン」を試したらムチャクチャ良かったんですよ。特にバックハンドの感覚が良かったし、バックストレートに打つのも良かった。最後にサイバーシェイプにたどり着いた。
「サイバーシェイプカーボン」の独特の形は、「面白さに走ってる」ように見えるけれども、実際に打つと想像を超えるものがあります。
その時からプラチナXHを貼っていましたが、自分の想像を超える良さがありましたね。全体的にスティガの看板製品にぼく自身がはまっていますね(笑)。 
ぼくはラリー型だけれども、スティガの今回の用具の組み合わせはボールが山なりにならずに直線的に飛んでくれるし、イレギュラー(不規則)のボールも生まれて、相手も取りづらそうにしています。自分が振り切った時には良いボールが飛んでいきます。バックストレートのボールが角度が出て打ちやすいし、ミート打ちもやりやすい。
「サイバーシェイプカーボン」の代名詞にバックのミート打ちのやりやすさがあるけれども、実際に自分が使ってみると、「あー、このラケットは本当にやりやすいんだ」と思いました。やりにくい部分はなくて、ただ形をみんなは気にしていると思うけど、あれを丸い形にしてしまうと良さがなくなる気がします。逆に言えば、このラケットの良さを知ってしまうと普通の形には戻せないです。

●ー「サイバーシェイプカーボン」は先端がないというか、スイートエリアが広いと言われていますが、それを感じますか?

及川 それは感じます。通常のラケットだったら当たりそこねのようなボールがしっかり入っていきます。自分が強く打って中心を外した時でもしっかり入るし、スイートスポットの広さを感じるし、手に響く感覚もあります。ラケットの重さに関しては、重すぎるとバックハンドが連続で触れないけど、軽すぎると相手のボールに負けてしまう。ラバーを貼って193gくらいにしたいんですけど、今は197gですが、そこは慣れながら調節していきます。
タマスのラバーと感覚が違う分、ラバーは慣れるのに時間はかかると思います。ボールの飛び方が好きなので、今の時点では「DNDプラチナXH」ですけど、「DNAハイブリッド」になるかもしれない。これから試して、今は手探りの状態です。
全日本チャンピオンになるまでの過程でも、タマスさんには大変お世話になったし、世界的なメーカーなのはわかっていましたが、ぼく自身がスティガというブランドの看板選手、フロントランナーになって、卓球市場で貢献したいという思いもありました。
もちろんチームも変えるので、いろいろな不安はありますが、新たな挑戦をしたいと思いました。「あいつすごく思い切ったけど大丈夫か」と思われるかもしれませんが、「新しい及川が戻ってきた」とみんなに見せられるように頑張っていきたいと思います。
<取材:卓球王国>

4月1日にスティガと契約した及川瑞基

<及川瑞基使用ラケット>

サイバーシェイプカーボン CWT
トルルス エディション
¥44,000(税込み)
●木材5枚+カーボン2枚
●FL・ST・中国式ペン
●板厚:6.3mm±
●平均重量:85g
●重量パーツ:3g・6g・9g(3種類)

<及川瑞基使用ラバー>

DNAプラチナXH
色:黒・赤
厚さ:MAXのみ(スポンジ2.3mm)
スピン系高速裏ソフトラバー
¥8,800(税込み)