STIGA NEWS
五十嵐史弥
「サイバーシェイプ カーボンは中陣からでも
バックハンドで打ち返せる点が良かったですね」
2024年04月19日
「先にラバーが決まりました。『DNAハイブリッド』です。
一番打った時のボールの弧線が良くて、安定している感じでした」
●ー4月1日にスティガとの契約を発表しました。
五十嵐 ヤサカさんは大学1年から契約させていただき、今までとてもお世話になりましたが、3月末の契約満了で終えました。今回、スティガさんからオファーいただき、たくさんのラバー、ラケットを試せたのが良かったです。
スティガというブランドに対しては『サイバーシェイプ』のような革新的なイメージと、スティガウエアのようなヨーロッパ的なイメージを持っていました。
『サイバーシェイプ』は丸形ではないので、他の選手が使っていると違和感はあるのですが、実際に自分が使ってみると全くないですね。抵抗なく使えました。ドライブしている時に、当たりが強いというかミートが強くなっている感覚があります。サービスは今までと同じように出せますが、台上技術はやりやすいですね。
今回はラケットでは『インスピーラ』『カーボネード45』『サイバーシェイプ ウッド』『サイバーシェイプ カーボン』『クリッパーウッド』などを試しました。スティガラケットは全体的に打球感が柔らかい感じがして、打ちやすいラケットが多かったですね。
その中で、『サイバーシェイプ カーボン』が自分自身も打ちやすいし、相手をしてくれた人に聞いても「一番ボールが来ている」と言われました。また中陣からでもバックハンドドライブで打ち返していける飛びがありました。もともとぼくは木材ラケットを使っていて、前陣で打球するのはいいのですが、台から下がった時に得意なバックではなく、フォアで打ち返すしかなかった。でもこの『サイバーシェイプ カーボン』は、中陣からでもバックハンドで打ち返せる点が良かったですね。
●ー今まで木材ラケットだったから、今回も『サイバーシェイプ ウッド』『クリッパーウッド』という木材も試したんですね。
五十嵐 木材ラケットのほうが柔らかくて球持ちが良いというイメージを持っていて、でも『サイバーシェイプ カーボン』も球持ちが良くて、自分でボールを掴むような感覚で、かつボールが上に上がってくれるし、台から下がっても打ち負けない感覚がありました。
●ー五十嵐選手はバックハンドが得意技術です。その技術がラケットにフィットしたんでしょうか?
五十嵐 『サイバーシェイプ カーボン』が一番バックハンドがやりやすかった。一番良いボールが打てていました。形としては普通の丸いラケットのほうが先端が回ってやりやすいのですが、サイバーのほうがシンプルにボールが走ります。
●ーまた『サイバーシェイプ』はスイートエリアが広いと言われますが、先端がない形です。
五十嵐 確かに『サイバーシェイプ』のほうがスイートスポットは広いです。かつラケットがすぐに返るんです。
●ーラケットが返るというのは、どういう意味でしょう?
五十嵐 普通の形だと振った時にラケットの先端が少し遅れてついてくるイメージですが、『サイバーシェイプ』は見た目のまんまで、先端がなく平たい部分で打つので、バックハンドを振った時にラケットがすぐに返る感覚なんです。最初は違和感があったんですが、今は慣れました。そこがバックハンドを打ちやすいと感じる原因かもしれません。
「サイバーシェイプは得意技術であるバックハンドが一番やりやすかった」と語る五十嵐
●ートップ選手は用具を変えるのは難しい面もあります。ラバーはどうでしょう。
五十嵐 いろいろ試してみましたが、『DNAハイブリッド』を使っています。ラケットとラバーでは、ぼくの場合は先にラバーが決まりました。同時にラケットもいろいろ試していましたが、一番打った時のボールの弧線が良くて、安定している感じでした。
直線的なボールの飛び方はあまり好きじゃないので、両面『DNAハイブリッド』です。このラバーはボールの回転量も多く、相手コートに深く入っていく感じです。このラバーとの相性が良かったのは『サイバーシェイプ カーボン』でした。今まで木材ラケットを使っていたので、あまり硬い感触ではなく、柔らかめの打球感のものを選びました。
●ー重さは気にしますか?
五十嵐 はい、気にしています。ラケットは88g、全体で言うと197g。ラケットの重さが結構大事で、1g変わるだけで全然違う。『サイバーシェイプ』は振った時には重心が先端の方にあるように感じますし、「ラケットが返る」感覚があるので、面を開くようにして打つように意識しています。しっかりと使い始めてから2週間くらいですが、台上のストップとかフリックがやりやすいですね。操作性が良いのかもしれません。
●ー新しく用具メーカーを変えるのは選手としてはある種の冒険であり、挑戦ですね。
五十嵐 自分の実力が上がってきているのを感じているし、これからもっと活躍したいと思っているので、スティガさんと契約して心機一転頑張りたいです。
●ー金沢での1シーズンを振り返るとどうでしょう?(シングルス4勝3敗/ダブルス4勝4敗)
五十嵐 全日本選手権では成績がなく、学生の時にはコロナで試合がなかったりしてシングルスの活躍がない分、Tリーグでの一戦一戦が本当に大事で、Tリーグで勝つことで評価を上げて、また使ってもらうしかない。勝たないと次はないという気持ちで常にやっています。
昨シーズン、金沢ポートで活躍した五十嵐
●ープロの生活はどうでしょう。
五十嵐 プロのほうが自分に合っていると思います。結果に対してすべて自分の責任になってくるので、覚悟を持って卓球ができています。
●ー大学から実業団チームに行くこともできましたね?
五十嵐 大学を出る時でも、自分のやってきた卓球を後悔せずにやり切りたいと思っていました。やり切ってから、後のことを考えようと思っていました。これからも卓球とともに人生を歩んでいきたいので、自分が好きな卓球を満足いくまでできるなら、どんな環境でもどんな国でも大丈夫です。
●ー今日はどうもありがとうございました。
<取材:卓球王国>
●いがらし・ふみや
1999年9月9日生まれ、山形県出身。遊学館高・早稲田大を経てプロ選手として活動。
2024年4月にTリーグの金沢ポートとの契約を更新した。
2018年全日本学生選抜選手権3位
2019年関東学生選手権シングルス優勝
2019年ユニバーシアード代表
<五十嵐史弥 使用ラケット>
サイバーシェイプカーボン
¥30,800(税込)
木材5枚+カーボン2枚
FL・ST・中国式ペン
板厚:6.3mm±
平均重量:85g
<五十嵐史弥 使用ラバー>
DNAハイブリッドXH
¥9,900(税込)
テンション系裏ソフト
色:黒・赤
厚さ:MAXのみ